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福岡高等裁判所那覇支部 平成8年(う)14号 判決

主文

本件各控訴を棄却する。

被告人両名に対し、当審における未決勾留日数中各一二〇日を、それぞれ原判決の刑に算入する。

理由

本件控訴の趣意は、弁護人上間敏男作成名義の控訴趣意書記載のとおりであり、これに対する答弁は、検察官高島剛一作成名義の答弁書記載のとおりであるから、これらを引用する。

所論は、要するに、被告人乙を懲役六年六月に、被告人丙を懲役七年にそれぞれ処した原判決の量刑は、重過ぎて不当であるというのである。

一  所論は、原判決は、判決理由中で被告人丙が被害者を姦淫したと認定しているが、同被告人が被害者を姦淫した事実はないから、この点を量刑にあたり斟酌すべきであると主張するので、先にこの点について判断する。

1  まず被告人の供述状況をみるのに、被告人は、アメリカ合衆国海軍犯罪調査局の調査官に対する平成七年九月六日付け供述書(権利放棄書添付、以下同じ。)において、被害者を姦淫したことを認める供述をしたが、日本側に身柄が引き渡された後の日本の捜査官に対する取調べに対しては、被害者を姦淫したことを否認するに至り、以後原審及び当審の公判段階を通じ、一貫して否認を続けている。

そして、被告人丙の原審弁護人は、右供述書の信用性を争っているので、右供述書以外の他の証拠により認定できる本件犯行に関連する事実関係について検討することとする(なお、証拠を引用する際の括弧内の甲乙の番号は、証拠等関係カードにおける検察官証拠請求番号を示す。)。

(一)  関係各証拠とりわけ本件犯行の直前まで被告人らと一緒に行動しており、犯行前の状況を知っているうえ、ことさら被告人らに不利な虚偽の供述をする理由も見当たらないから、信用性が高いと認められる在沖縄米海兵隊所属のバントレル・エイ・バイヤーズ(以下「バイヤーズ」という。)の検察官に対する供述調書(二通)等によれば、平成七年九月四日、同人及び被告人両名が共犯者の甲運転の車に同乗してドライブしている間に、甲が、「誰かを強姦したくないか。」、「強姦するならテープとコンドームが必要だ。女子学生が学校から帰るころがいい。二人は前から襲い、ほかの二人は後から襲う。前にいる者が相手を殴り、後にいる者が車の中に引きずり込む。車に引き込んだ後、車の中で声が出せないように口にテープをし、さらに手足をテープで縛り、何かを頭からかぶせる。車の中に引き込んだ後は、人気のないキャンプシールズの裏のビーチに連れて行く。捕まった時は、コンドームをしていれば証拠が残らない。」等と言い出したことに対し、被告人らは、同意をするような返事をしたこと、同日午後六時過ぎころ、被告人ら四名は、嘉手納基地内の売店に行き、被告人乙がコンドーム一箱(商品名 TROJAN)を、被告人丙がダクトテープ一本をそれぞれ購入した後、ハンセン基地に向かったが、車内において、甲は、女性を指差してこれがいい等と女性を物色するような発言をし、被告人丙は、ダクトテープを切って自分の指に巻き付ける等し、被告人乙は、コンドームの箱からコンドームを取り出していたこと、バイヤーズは、このような被告人らの言動を見て、被告人らが本気で強姦を実行するつもりであると感じ、犯行に加担するのを逃れようとして、自分の兵舎のあるハンセン基地で下ろしてくれるよう甲に頼んだところ、同人は、立腹したものの、最終的にはこれに応じたこと、被告人両名は、同日午後七時三〇分過ぎころ、甲の運転する車でハンセン基地を出発し、女性を物色しながら沖縄県国頭郡金武町字金武四二四番地先付近に差し掛かった同日午後八時ころ、通行中の被害者を認めるや、同女を強姦しようと決意し、同所に車を停車させた後、甲は運転席で待機し、被告人両名は被害者のもとに赴いたこと、そして、被告人丙が被害者に話し掛け、その隙に、被告人乙がいきなり被害者の背後から首に腕を巻き付けるとともに、被告人丙が同女の顔を殴り、被告人乙がそのまま同女を甲の待つ車まで引きずって連れて行き、後部座席に無理やり乗車させて車を発進し、同町字金武一一九三番地所在の並里区民広場の南側農道まで走行した(なお、被告人丙は、原審公判廷において、被害者を殴打したことはない旨供述するが、原判決が適切に説示しているとおり〔ただし、被告人乙の公判供述について第四回公判とあるのは、第五回公判と訂正する。〕被害者を殴打したことは明らかである。)が、その間、被告人両名が、車内において、所持していたダクトテープで被害者の両目及び口を覆い、さらに両手首及び両足首を縛ったこと、そして、右農道に駐車した車の後部座席において、まず甲が被害者を姦淫した後、被告人乙が車内に入り、同女を姦淫しようとしたが、同女が幼いことに気付いたために姦淫を断念し、次いで被告人丙が車内に入ったことが認められる。

また、司法警察員作成の実況見分調書(甲一四)等によれば、前記農道には、コンドームの空袋二個(商品名 LifeStyles及びTROJAN)が落ちていたことが認められるところ、司法警察員作成の写真撮影報告書(甲三一)によれば、これと同じ種類の未使用のコンドームが押収されていることが認められるから、被告人らのうちのいずれかが使用したものと推認できる。

以上認定の本件犯行に至るまでの被告人両名の行動、犯行の態様等に鑑みると、被告人両名の犯行に対する積極的な関与、行動が認められ、被告人両名の強姦に対する強い意欲が窺えるというべきである。

これに対し、被告人両名は、検察官調書及び原審公判廷において、腕力の強い甲に脅されたあるいは同人が怖かったので、前認定のような行動に及んだ旨供述するが、一人であればともかく、同じような考えでいた被告人両名が結束すれば犯行から離脱することも十分可能であったと思われ、現にバイヤーズは、甲の意図を察知して、途中で車を下りているにもかかわらず、被告人両名は甲と行動を共にし、前認定のような行動に及んでいることからすれば、たやすく措信できない。

(二)  関係各証拠によれば、被害者は、本件犯行により処女膜裂傷等の傷害を負ったことにより、陰部から出血したことが認められるところ、司法警察員作成の写真撮影報告書(甲三四)及び技術吏員作成の鑑定書(甲五六)等によれば、被告人丙が犯行当時着用していたパンツ前面の裏側に、被害者と同じ血液型及びDNA型の血液が付着していることが認められ、右血痕は、被害者の血液が付着したことによるものと認められる。また、右写真撮影報告書及び鑑定書等によれば、右血痕と極めて近接した箇所に被告人丙と同じDNA型の精液が付着していることが認められ、本件において同じ型の他の人間の精液が付着するとは考えられないから、同被告人の精液が付着していたものと認められる(なお、右鑑定書によれば、付着した被害者の血液と被告人丙の精液が混在したことにより、精液斑から両方のDNA型が検出されたものと認められる。)。

そして、右の事実は、被告人丙が被害者を姦淫した後、パンツを着用したことにより被害者の血液と被告人丙の精液が付着したものであることを強く推認せしめる事実というべきである。

これに対し、被告人丙は、検察官に対する平成七年九月二三日付け(乙二六)及び同月二五日付け各供述調書(乙三一)において、被害者の体の上に自分の体を浮かせるようにしていた時に、助手席の背もたれをつかんでいた手が滑って被害者の体の上に覆い被さった時に付着したと思うとか、手に付いた被害者の血液をパンツで拭いた際に付着した等と供述し、原審公判廷において、車の後部座席に入る時に、ズボンがシートに引っ掛かって被害者の上に倒れ込むような恰好になった際に付着したものと思われるとか、手に付いた被害者の血液をパンツで拭いた際に付着した等と供述するが、これらの弁解が不自然、不合理で信用できないことは、原判決が説示するとおりである。また、被告人丙の原審弁護人が、表側に付着したものが裏側に浸透したと考えられるし、付着箇所は陰茎が当たる部分ではないと主張する点についても、原判決が説示するとおり採用できない。

(三)  以上のとおり、被告人丙の前記供述書を除く証拠により認定される事実関係を前提としてみる限りにおいても、同被告人が被害者を姦淫したことを推認するのを相当とする諸状況があるというべきであり、このことは、甲が検察官に対する平成七年九月二六日付け供述調書(乙五)において、被告人丙が車の中に入っている間、車が少し上下に揺れており、車の後部座席から出てくる時に同被告人の半ズボン及びパンツが膝までずり落ちていた旨供述し、被害者が検察官に対する供述調書において、はっきりしないが、後から入ってきた二人(被告人両名のことを指す。)が姦淫するような動作をしていたような気もする旨供述していることとも符合する。

もっとも、被害者は、右検察官調書において、「甲に姦淫された後、残りの二人が交代で車の中に入ってくる様子は分かったが、姦淫されたかどうかは分からない。」と供述しているが、原判決も説示しているとおり、被害者の右検察官調書によれば、被害者は甲に顔や腹部を殴られたことにより意識が遠のき、その後甲に姦淫されたことにより我慢できない程の激痛を感じたことが認められるうえ、被害者はダクトテープで目隠しをされていたことや恐怖感もあいまって、被告人丙により姦淫されたかどうかはっきりしなかったとしても不自然とはいえず、原審弁護人が主張するように姦淫の事実を否定する根拠となりうるものではない。

2  そこで次に、被告人丙の供述内容について検討するのに、前記のとおり同被告人は、アメリカ合衆国海軍犯罪調査局の調査官に対する平成七年九月六日付け供述書において、被害者を姦淫したことを認める供述をしているが、同被告人は、原審及び当審の公判廷において、「アメリカ合衆国海軍犯罪調査局は、取調べに弁護士の立会いを認めてくれなかった。そして、ズボンを下げたことはあるが、下着は脱いでいないこと、コンドームは持っていなかったこと、被害者を姦淫していないこと等を主張したにもかかわらず、調査官は聞いてくれなかった。自分が供述書に署名したのは怖かったし、調査官から罪を認めれば日本では刑が軽くなる等と言われたためで、供述書の内容をよく読まずに署名した。」旨供述する。

しかしながら、被告人丙は、アメリカ合衆国海軍犯罪調査局の調査官から取調べを受けるに際し、黙秘権及び供述拒否権があること、同被告人が供述したことは軍事法廷での審理において、又は訴訟手続もしくは行政手続の際に不利に使用することができること、弁護士と相談したり、取調べに立ち会わせる権利があること、いつでもこの取調べを終了させることができること等を告知され、説明を受けたことを原審の公判廷において認めているところ、同被告人は、右告知事項が記載された権利放棄書に署名していること、共犯者の甲は、原審の公判廷において、自分は、アメリカ合衆国海軍犯罪調査局から二回呼び出されたが、弁護士の立会いを求めたためにいずれも事情聴取を受けることはなかった旨供述していること等に照らすと、弁護士の立会いを認めてくれなかったという被告人丙の前記公判供述の信用性は乏しいというべきである。

また、被告人丙の右供述書における供述内容は、犯行前後の状況を含めて具体的かつ詳細であるうえ、その供述時期は、本件犯行の翌々日であって、アメリカ合衆国海軍犯罪調査局において必ずしも事件の詳細を把握していないと思われる比較的早い段階でのものであり、しかも、被告人丙が供述しなければ分からないはずの被告人らの下着、犯行に使用したダクトテープ及び被害者の所持していたノート等の物的証拠を投棄した場所の供述も録取されていること(司法巡査作成の証拠品発見報告書〔甲二三〕によれば、右供述に基づき米軍の廃棄物処理場から発見されていることが認められる。)、さらに、被告人丙が自己の刑責を軽くするため甲に責任を転嫁するような供述も散見されるが(たとえば、甲が被害者を羽交い締めにして車に引きずり込んだと供述していること)、これもそのまま録取されていること等に徴すると、調査官による無理な誘導や押し付けによるものではなく、被告人丙が自発的に供述したことが窺われる。

もっとも、右供述書において、「被害者は多分白いTシャツを着ていたと思う。」、「被告人丙が被害者を姦淫した際、被害者は目を開けて被告人を見つめていた。」等と客観的事実と異なる供述もみられる。しかし、前者はその供述の仕方からみても単なる記憶違いである可能性が高いし、後者の点は、何故そのような供述がされているのか明らかではないが、一方で、被告人丙は、右供述書において、自分が被害者の手首をダクトテープで縛ったことを認めているところ、日本の捜査機関の取り調べに対しては、一貫して否認し続けた後、起訴前日になって認めるに至り、原審公判廷でも認める等客観的事実に合致する点も多く(なお、被告人丙の検察官に対する平成七年九月二三日付け供述調書〔乙二九〕によれば、同被告人は、海軍犯罪調査局で話をする時、自分のやったことを後悔し、深く反省してパンツ等を捨てるまでの経緯について本当のことを話した旨供述していることが認められる。)、被害者を姦淫したという点については、前記のとおり信用性を支える有力な情況証拠があることにも照らせば、前記供述書は全体として十分信用できるものというべきであり、前記の客観的事実と異なる供述部分があるからといって、必ずしも右信用性を揺るがすことにはならないというべきである。

被告人丙は、前記のとおり、怖かったし、調査官から罪を認めれば日本では刑が軽くなると言われて、供述書をよく読まずに署名した旨原審公判廷において供述するが、そうであるならば、その後の日本の捜査機関に対する取調べにおいても同様の態度をとるはずであるにもかかわらず、姦淫の点については一貫して否認しているところである。そして、原審公判廷において、その点について尋問されると、勾留中に面会に来た牧師から真実を話すようにと言われたので、真実を述べたと供述するが、被告人の捜査段階での供述調書の内容をみると、自分は犯行には一切加わっていないとか、甲が被害者に暴行を加えて拉致したり被害者の手首を縛った等と明らかに虚偽の供述をしたり、種々の弁解をしていることが認められ、右公判供述の信用性は乏しいというべきである。

以上によれば、被告人丙が前記供述書において、姦淫を認めている点の信用性は極めて高いものと認められ、これに対し、同被告人が捜査機関及び原審公判廷において姦淫の有無について供述する部分は、不自然、不合理な点が多く、措信することができない。

そして、被告人丙の前記供述書における自白と前記関係各証拠から認定される情況証拠を総合すれば、同被告人が被害者を姦淫した事実が認められ、原判決の認定は正当として支持すべきものである。

二  そこで、右認定事実を前提として、所論にかんがみ記録を精査して原判決の量刑を検討するのに、本件は、被告人両名が、同じ在沖縄米海兵隊所属の甲と共謀のうえ、欲望の赴くまま小学生である少女を逮捕監禁して姦淫し、傷害を負わせたというまことに自己中心的な犯行である。

まず、その犯行態様をみるに、被害者を拉致するために、予め各人の役割分担を決めたうえ、被害者を縛るためのダクトテープを購入する等計画的であり、また、被告人丙において通行中の被害者に道を尋ねる振りをして、その隙に背後から被告人乙が襲って被害者を車に引きずり込んだうえ、被害者に人相を見られたり大声をたてられないよう車内においてダクトテープで被害者の目や口を覆い、両手足を縛って身動きのできない状態にして車を走行させ、往来の少ない農道において、甲において抵抗する被害者の顔や腹部を殴打して抵抗できないようにしたうえで、代わる代わる目隠しをされたままの被害者を凌辱したというものであって、極めて巧妙、悪質かつ卑劣な犯行といわざるを得ない。しかも、犯行後被告人らは、着用していた下着に被害者の血液が付着していることを発見するや、右下着やダクトテープ、被害者が所持していたノートをごみ捨て場に投棄して罪証隠滅を図っていること等犯行後の情状も良くない。

被害者は、学校から一旦帰宅した後、翌日の授業に必要なノートがないことに気付いたため自宅近くの文房具店に買いに行き、帰宅途中にいきなり被告人らに襲われたものであって、被害者に格別落度はないというべきである。それにもかかわらず、被害者は、前記のような辱めを受けたものであって、被害者が当時未だ一二歳の小学六年生であることをも併せ考慮すると、被害者の被った精神的、肉体的打撃は極めて大きいといわなければならない。そのうえ、児童心理学の専門家によれば、人格形成の途上にある被害者が受けた心の傷は大きく、将来的にも悪影響を及ぼすおそれがあるというのであって、被害者及びその両親が、被告人らに厳罰を望んでおり、被害感情に根深いものがあるのも当然である。

さらに、本件犯行はマスコミにより大きく報道され、地域社会に多大な影響を与えたものである。弁護人は、原判決が、沖縄の県民感情、世論に不当に引きずられて重い量刑をした旨主張するが、本件犯行がこれだけ多くの反響を呼んだのは、沖縄における米軍基地問題が背景にあるとはいえ、その主たる原因は、前述した本件犯行の凶悪さに起因するものというべきであって、本件犯行が地域社会、住民に与えた影響を量刑上考慮すべきであるのは、もとより当然であるし、原判決は、右の事情のほか「量刑事情」の項で説示しているように諸般の事情を総合考慮して判断しているから、所論は理由がない。

次に、被告人両名が本件犯行において果たした役割、関与の度合いについてみるに、もともとは甲が発案したこととはいえ、被告人両名は、事前にダクトテープやコンドームを購入し、協力して被害者を車に連れ込み、車内においてダクトテープで被害者の目や口を覆い、手首や足首を縛る等犯行の遂行に欠くべからざる重要な役割を果たしているうえ、被告人丙は、前認定のとおり甲に引き続いて被害者を姦淫し、被告人乙も姦淫にまでは至らなかったものの姦淫行為に及ぼうとしたものである。

他方、被告人らに有利な事情をみるに、被告人乙は、前記のとおり姦淫行為はしていないこと、本件犯行について反省の情を示し、慰謝料として合計九〇万円を被告人ら三名の連名で被害者に支払っていること、平素の勤務態度は良好であったこと等の事情が認められる。また、被告人丙は、姦淫行為を否認したり、甲に責任を転嫁するような供述がみられ、真摯な反省をしているかどうかという点については疑問なしとしないが、犯行自体については反省の情を示し、被害者に謝罪しており、前記のとおり慰謝料を支払っていること、同被告人には、妻の他幼い子供がいること等の事情が認められる。

以上のような諸般の事情を総合考慮すると、被告人らの刑責は、極めて重いといわざるを得ないところ、被告人丙は、本件犯行について主導的立場にあり、懲役七年の刑が確定している甲のそれと同程度であり、被告人乙もさほど径庭はないというべきである。弁護人は、強姦罪についての研究報告等をもとに本件は同種事案に比べ格段に重いと主張するが、個々の量刑事情を詳しく分析しなければ一概に比較できないことや、検察官の挙げた事例があることをも考慮すると、被告人丙を懲役七年に、被告人乙を懲役六年六月にそれぞれ処した原判決の量刑が重きに過ぎるとは認められない。論旨は理由がない。

よって、刑事訴訟法三九六条により本件各控訴を棄却し、刑法二一条を適用して当審における未決勾留日数中各一二〇日をそれぞれ被告人両名の原判決の刑に算入し、当審における訴訟費用は刑事訴訟法一八一条一項ただし書を適用して被告人両名に負担させないこととし、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 岩谷憲一 裁判官 角隆博 裁判官 伊名波宏仁)

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